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われはロボット あらすじ・紹介

  • あんとん
  • 2017年4月18日
  • 読了時間: 5分

[題名] : われはロボット (I,ROBOT)

[著者] : アイザック・アシモフ 小尾芙佐=訳

 今回紹介する本は、アイザック・アシモフの『われはロボット』

です。

 この短編集では、<ロボット工学三原則>といわれる、ロボットが従うべき法則に基づいた短編が9つ収録されています。

<ロボット工学三原則>

 第一条 ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。

 第二条 ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りではない。

 第三条 ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。

 この<ロボット工学三原則>というのは、アシモフがロボットを題材にする小説を書いていく中で、「アスタウンディング」というSF雑誌の編集長である"ジョン・W・キャンベル・ジュニア"と本書の中に出てくる「うそつき」という作品について打ち合わせをしているときに誕生したと言われています。作家と編集者の能力を併せ持つキャンベルがアシモフの作品の中に潜むテーマを見つけ出し、三ヵ条にまとめた形です。

 本書は、作中に登場する、ユナイテッド・ステーツ・ロボット&機械人間株式会社(USロボット社)の初代主任ロボット心理学者、"スーザン・キャルヴィン"に対するインタビューを所々に挟みながら、キャルヴィン博士が過去を振り返る形で進行します。

以下 あらすじ

ロビイ Robbie

 「ロビイなんかに負けないもん。ぜったい負けないもん」

 少女グローリアはウェストン家の愛娘でした。しかしグローリアは子守用ロボットのロビイとばかり遊び、お友だちを作ろうとしません。そんな状況に嫌気がさしたミセス・ウェストンは、グローリアからロビイを引き離そうと策を練りますが……

堂々めぐり Runaround

 USロボット社の技術者であるパウエルとドノヴァンは、水星に探検隊として派遣されました。これは、水星に採鉱基地を建設するための実地踏査が目的でした。

 二人は、一緒に派遣されてきた新型ロボット"スピーディ"を、セレンと呼ばれる資源の採集に向かわせました。しかし何時間たってもスピーディが帰ってきません。二人は命がけでスピーディを見つけますが……

われ思う、ゆえに…… Reason

「こいつはたまげた、ロボット・デカルトさまだ」

 パウエルとドノヴァンは太陽のエネルギーを惑星群に供給するための宇宙ステーションにいました。

 二人に課された今回の任務は、宇宙ステーションを運営する能力を持つ新型ロボットの動作を確認することでした。しかしそのロボットはとんでもないことを言い出します。なんとそのロボットを生み出したのは人ではなく、エネルギー転換器だというのです。

野うさぎを追って Catch That Rabbit

 パウエルとドノヴァンはまたも難題に直面していました。新型ロボットDV5号はあらゆる研究室の試験を何度も突破し、USロボット社も小惑星での性能テストに合格することも保証していました。しかし、いざ実地テストとなるとうまくいきません。この新型ロボットは、6台のサブロボットをひきつれていました。なぜうまく動作しないのか、二人は調査を進めますが……

うそつき Liar!

「あれはちゃんと人の心を読み取るーそれについてはこれっぽっちの疑いもない!だが、なぜだ?」

 USロボット社は頭を悩ませていました。普通製品として制作されたRB34号ロボットの陽電子脳に、ほかの陽電子脳にはないおどろくべき能力を備えていたことが判明したのです。その能力とは、"読心力"。

ロボット排斥運動が強まっている時期に、このような特異現象が外に漏れたら大変です。この事実は、技術主任ミルトン・アッシュ、主任ロボット心理学者スーザン・キャルヴィン、研究所所長アルフレッド・ラニング、数学主任研究官ピーター・ボガートの4人だけの秘密とされ、原因の調査が始まりますが……

迷子のロボット Little Lost Robot

 スーザン・キャルヴィン博士とピーターボガート博士は、とある事件のことでハイパー基地への緊急呼集に応じます。その事件とは、ハイパー基地で働いていたロボットが一台行方をくらましたということでした。そのロボットはロボット工学三原則の第一条に手を加えられ、第一条の条件を緩和されていたのです。その問題のロボットは同じ型のロボットの集団に紛れ込み、個体番号が与えられていないため他のロボットと区別がつきません。そのロボットを見つけるとっておきの方法とは……

逃避 Escape!

USロボット社のライバル会社である合同ロボット社は、USロボット社に奇妙な申し入れをしてきました。それは5トンもの数字や方程式をUSロボット社の電子頭脳に解いてほしいというものでした。合同ロボット社ももちろん電子頭脳は所有しているはず。実は、合同ロボット社が自社の電子頭脳にその問題を解かせたところ、電子頭脳が壊れてしまったというのです。そこで同じ問題をUSロボット社の電子頭脳に解かせ、同じ目に合わせてやろうというのです。それを察知したUSロボット社は、とある作戦を実行に移します。

証拠 Evidence

 政治家フランシス・クインはとある調査をUSロボット社に依頼してきました。それはスティーブン・バイアリイという人物について調査をしてほしいというものでした。この男は有能な検察官で次期市長に立候補するといいます。実はこの男、他人に自分が食事をしているところを見られたことがないのです。そして食事だけでなく眠っているところまでも誰にも見られたことがありません。よってクインはバイアリイがロボットだと主張するのですが……

厄災 The Evitable Conflict

 一市長から地球連邦の世界統監にまで上り詰めたバイアリイ。しかしその時代、世界を動かしていたのは人ではなくマシンだったのです。何もかも完璧な政策を作り上げてきたマシンですが、ある時から政策にずれが生じてきてしまいます。そこでバイアリイは連邦を構成する地球地区を訪問します。バイアリイは、人間がマシンの決定に従っていないのではないかと考えます。この考えをキャルヴィン博士に打ち明けますが、博士は全く別の考えを持っていたのです。

どのエピソードもアシモフのすばらしいアイデアがつまっています。

ぜひ読んでみてください。

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